本部役員にスカウトされる。(1)
「PTAの本部に入る」
そんな恐れ多いこと、考えたこともありませんでした。
PTAをやっている人は過保護気味、教育熱心、近寄りがたい…
そういった勝手なマイナスイメージが元々あったことは否定できません。
そもそも、いつ、どうやって役員が選ばれているのか??
それすらも謎でした。
こちらの小学校では、役員は立候補制ではなく推薦制です。
秋になると保護者全体に「推薦用紙」が配られます。
「役員にふさわしい人の名前を書いて提出してください」
しかし、もし誰かの名前を書いたとして、後になってそのことが本人にバレて恨まれてしまったら…
と思うと、怖くてとても提出なんてできません。
(実際これを提出している人はごく少数、というかほとんどいません。)
それなのに、毎年時期が来ると、いつの間にか役員が決まっている。
その謎の真相が、ある日解き明かされることになります。
「みんなの集い」から1ヶ月以上経ち、もうすぐ2学期も終わりという頃。
次女の通園バスのお迎えをし、二人で帰路についていたとき。
ふと前を見ると、エリママさんの姿がありました。
「エリママさん、こんにちは~」
いつものように挨拶をして通り過ぎようとしたのですが、
「あの、ぷりんママさん…ちょっと今お時間よろしいですか?」
と呼び止められたのです。
「はい、大丈夫ですが…??」
え??
初めてのことだったので、少しドキッとしました。
「ぷりんママさん、いつも報告書に的確なことを書いてくださっていて…ありがとうございます。」
確かに、これまでいくつか提出した報告書は、わりと真面目に書いていた気がします。
といっても自分の感じたこと(悪かったこと含めて)をただ率直に書いただけなのですが…
「それで、よかったら、来年度私たちと一緒に本部のお仕事をしませんか?」
…まじか。
「いやいや、そんな、とんでもない!!私、人前に立つタイプじゃないですし、そんな器じゃないです。」
とっさにそう返答しました。
「とりあえず、詳しい活動内容について、もしよろしければ別の日にお話だけでも聞いていただけませんか?」
本当に嫌だったら、この時点で丁重にお断りしていたと思います。
しかし正直にいうと、この時の私は
「無理無理!」
と思う一方で、誰かに必要とされていることにほんの少し嬉しさを感じていたのです。
というわけで、後日改めて話を聞いてみることになりました。
まさかまさか、長女1年生の時に恐れていたことが現実に起こるとは…